研究成果

経済統合とサステイナビリティ

研究:セミナー・ワークショップ

GIARI:経済統合とサステイナビリティグループ 国際共同シンポジウム『モンゴルにおける地球温暖化と適応能力に関する国際会議:
モンゴル国、ゴビ地域における砂漠化対処と持続的草地利用
−東アジアにおける効果的な環境協力の構築−』

2009.10.22

開催概要

開催日時:2009年10月22日(木)、23日(金)
場所:Conference Hall of A, Kempinski Hotel Khaan Palace
(会場所在地:East Cross Road, Peace Avenue, Bayanzurkh District, Ulaanbaatar, Mongolia)
会場連絡先:Telephone: + 976-11-463463、Fax: + 976-11-463464


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国際会議の背景と目的

現在、モンゴルではモンゴル政府及び国際機関によって、すでに終了したものも含め様々な持続的な草地利用および牧民の生活向上に関するプロジェクトが行われている。例えばモンゴル政府による飼料生産プログラム、国連開発計画(UNDP)による"Sustainable Grassland Management"、世界銀行による"Sustainable Livelihood Project"、国際協力機構(JICA)による「ゾド対策に向けた地方牧畜業体制改善支援計画調査」などがあげられる。それぞれのプロジェクトは一定の成果をあげているが、得られた教訓あるいは経験といったものは主にウランバートル周辺や北部ハンガイ地域などの農牧業条件のよい地域にのみ還元されてきており、たとえば西部の遠隔地や南部の乾燥地域といった、条件が比較的不利な地域を含めて今後モンゴル全体の農牧業をどのように発展させてゆくかついては、必ずしも十分に議論されていない。

日本国・環境省では2007年度より「平成19年度温暖化影響等を勘案した砂漠化対策形成の検討」業務を開始し、ゴビ地域において持続可能な牧草地利用のあり方に関する調査研究を行っている。2007年度に基礎調査を行い、2008年度はモデル・プロジェクトを選定・開始し、2009年度に渡ってモデル・プロジェクトを実施する予定である。こうしたモデル・プロジェクトの選定の過程で、対象地域であるドントゴビ県においてラウンドテーブルを開催し、アイマグ(県)、ソム(郡)、バグ(村)や牧民自身による気候変動や干ばつに対処する能力向上のあり方についての議論を行っている。また、首都・ウランバートルにおいては、内閣府、財務省、食料農牧軽産業省、自然環境観光省、科学院、農業大学、地生態学研究所などの代表が参加し、全国的な視点からゴビ地域の干ばつ対策あるいは持続可能な牧草地利用に関する政策・制度のあり方を議論してきた。

こうした議論を通じて、ゴビ地域などの条件不利地を含めたモンゴル全体での農牧業の発展や将来像について、十分な議論や意見の共有がされていないことが明らかとなってきた。よって、内外のこうした問題に関連する専門家や研究者、政府関係者、支援プロジェクトの関係者を集め議論を行い、その経験あるいは教訓を後世に残し、これからの関連する政策事業において活用できるようにすることが重要と考えられる。

かかる観点から、「モンゴルにおける地球温暖化と適応能力に関する国際会議 : 気候変動と適応能力向上:モンゴル国、ゴビ地域における砂漠化対処と持続的草地利用」に関する国際会議を2009年10月22日(木)・23日(金)に内外の関係者の参加のもとにウランバートルで開催する。そして本成果を英語とモンゴル語で出版することを考えたい。



国際会議の概要

国際会議は早稲田大学(サステイナビリティ学研究推進本部WISPJ、グローバルCOEプログラム「アジア地域統合のための世界的人材育成拠点(GIARI)」、国際開発協力研究所)、日本国・環境省、モンゴル科学院 (MAS)、モンゴル自然環境・観光省、モンゴル国立大学を主催団体とする。日本側後援は、サステイナビリティ学連携研究機構 (IR3S、東京大学TIGS)、国連大学サステイナビリティと平和研究所(UNU-ISP)、国際農林水産業研究センター (JIRCAS)、在モンゴル日本大使館、国際協力機構(JICA)モンゴル事務所、協力は、モンゴルエコフォーラムとする。会議はモンゴルにおける気候変動や砂漠化、それらの影響を受ける地域における持続的牧草地利用と牧民の生活向上に関する活動の経験と教訓を明らかにすることを目的とし、以下のような4つのセッションで構成される。

  1. 気候変動と北東アジアにおける影響:自然的・社会的側面
  2. モンゴルの遊牧の現状と直面する課題
  3. 既存の事業から得られた知見:政府や国際的支援機関による計画や政策
  4. モンゴルの発展の方向性:砂漠化、気候変動への適応能力向上に向けた制度・政策

参加者については、研究者および専門家、実務家、援助関係者、政府関係者などの60名程度を見込む。日本・中国・韓国・欧米(アメリカ、イギリス)等から10人程度、モンゴル国内の国際援助機関の関係者等10名程度、モンゴル国内の行政関係者・研究者等40人程度と想定する。会議は英語、モンゴル語、日本語で行う。

1つのセッションあたり4人程度の発表者を考え、発表者は事前に報告論文を用意する。 会議の議論を踏まえて報告論文の加筆・修正を行い、成果を英語とモンゴル語で製本する。英書については英国マクミラン社からの出版を考える。モンゴル語についてはエンタープレースからの出版を考える。

なお、国際会議の企画に関しては、2008年12月2日のウランバートルにおける会議において本国際会議組織委員会を設立し、その際、国際会議の基本的な方向性に関して議論を行い、モンゴル側の組織委員長をアルタンスフ・モンゴル科学院事務局長、日本側の組織委員長は松岡俊二(早稲田大学教授)とすることを決めた。また、2009年3月30日に、ウランバートルで、第2回組織委員会を開催し、企画・Agendaの内容につき討議し、現在、モンゴル政府が進めている砂漠化対処国家行動計画の改訂への重要なインプットとして本会議を位置づけること、モンゴル側の組織委員長の後任をレグデル・モンゴル科学院事務局長とすることを決めた。さらに、6月26日には、第3回組織委員会を開催し、発表者の発表内容に関する検討や今後のモンゴル側、日本側での準備について話し合ったところである。また、9月17日、18日にはモンゴル側・日本側主催機関間での最終調整が行われた。



組織委員会

モンゴル側組織委員長D. レグデル(モンゴル科学院/副院長)
日本側組織委員長 松岡俊二(早稲田大学/教授)

マイルストーン


  • 国際会議(ウランバートル)開催
    2009年10月22,23日

  • 会議における議論に基づいた原稿の改定期限
    2009年12月

  • 成果の出版
    2010年3月



連絡先

【モンゴル側】
モンゴル科学院・地生態学研究所 所長 Dr. J.Tsogtbaatar
Tel: + 976 11 321862
e-mail: tsogtbaatarj@magicnet.mn or geoeco@magicnet.mn

(財)地球・人間環境フォーラム 客員研究員 Ms. ALTANGEREL Lkhagvajav
TEL. 99138914, e-mail: yutaka_alt@yahoo.co.jp

【日本側】
東京大学大学院 農学生命科学研究科 特任助教 岡安智生
TEL. 03-5841-5050, e-mail: aokayasu@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp

(財)地球人間環境フォーラム 研究員 中村洋
TEL. 03-3813-9735, e-mail: nakamura@gef.or.jp

早稲田総研イニシアティブ 研究員 長岡千津子
TEL. 03-5286-8354, e-mail: chizu.n@kurenai.waseda.jp


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